2015年1月10日土曜日

猫パンチは目玉を抉る。『シン・シティ 復讐の女神(Sin City: A Dame to Kill For)』

 本日、TNGパトレイバーと一緒に見てまいりました。
 実のところ、前作を見ていない私。しかしCMで流れる、あのぶっ飛んだアクションを見て「おうおう、俺が見てえのはこういう映画なんだよ!!」ってなわけで、映画館へ。
 一応、物語が始まる前にざっくりとですが前作の解説があるので、前作を見なくても大丈夫でした。


 こういう映画って一体何を評すりゃいいんだろう、という気分になる。何故かと言うと、視覚的に訴えかけるイメージというのを文章で伝えるのは困難極まりないからだ。いや、それは単に私の文章力の問題なのかもしれないのだが(とか言い始めると、愚痴だけで終わりそうなのでやめる)
 まず、この映画の一番の特徴は白黒がメインということだろう。私は3D版を見てないので、そのへんの映像効果については避けて通るとして。ともかく、この映画は何とも言えない浮遊感のような物を常にまとっている。漫画テイストな演出が多く、その上背景がCGらしいCGだったりするのだが、それがいい意味で安っぽい感じなのだ。そんなリアリティの無い感じが、コミックテイストの演出と合い、さらに白黒の画面ともマッチしている。そのおかげか、俳優はリアルなのに、それも含めて全てがコミックのような印象を持つ。何とも漫画よりの実写化、ということなのだろうか(原作も読んでないんでよくわからない)。そんな、実写なのにコミックのような、どこか浮遊感のある映像が一つの魅力。
 そして、そのような浮遊感のある映像で描かれるのは、シン・シティ(罪の街)。"Sin"とは、宗教上の罪、原罪のこと。まあ、クライム・シティよりシン・シティのがカッコイイ気はする。アウトローでハチャメチャな展開は、前述のふわふわと浮いたような、コミックのような演出と共に進んでいく。
 で、そんな映像は素晴らしい訳なのだが、肝心要の物語はどうなの? というと、これは三つのストーリーが描かれている。悪女に復讐する男と、街の有力議員にポーカーで挑む男、そして愛する男の為に復讐する女。
 正直、復讐というストーリーは大好きなんですが、好き故に、やはり挽歌2を超えるものはねえな……というふうに思ってしまう。映像は素晴らしい。だが、物語は言う程でもない。まあ、それよりもカッコイイアクション、映像でしょう。
 三つの物語の中で、たぶん一番多く出ているのが、ミッキー・ローク演じるマーヴ。まあ、とんでもない怪力野郎。猫パンチで八百長とかそんな騒ぎじゃない。殴り殺したあと、目ん玉抉り取ってゲヘゲヘ言ってるような奴。コート翻しながら、ショットガンを二丁ぶっ放すのは、本当に映える。
 そして、ジェシカ・アルバ。とりあえずお美しい。とにかくお美しい……途中までは。実は最後の最後、復讐を誓うと、なんかパンクロッカーみたいな格好になって現れるもんで、「なんじゃこりゃ……」ってなことに。しかもマーヴが「色っぽいぜ」とか言うもんだから、彼らのセンスは分からない。 
 とまあ、他にも賭け事にめっぽう強い男や、アジア系のサムライソード使いの女とか、濃ゆいキャラが沢山出てくる。

 ざっくり言ってしまうと、いわゆる「雰囲気映画」というやつだと思う。アウトローなクライム・アクションの空気を吸いたいならば、映画館へ。

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