2016年1月9日土曜日

漢は立ち上がり続ける。 『クリード チャンプを継ぐ男』

 ロッキーは僕の大好きな映画の一つだ。特に1の不器用ながらも立ち上がるロッキーと、ファイナルの老いてなお戦い続ける彼の勇姿が大好きだ。というわけで、その続編。ロッキーのミームを受け継ぐ、宿敵アポロの息子の物語、クリード。遅ればせながらも見てきた。
 一言で言うなれば、

クリードはいいぞ。(便乗)

 である。
 何がいいかと言えば、この作品。ロッキーのミームを受け継ぎながらも、独自の味を生み出しているからいい。そこなのだ。
 まず興奮するのがサントラだ。ロッキーシリーズとは違い、今風でクールなラップ風な曲が多い。しかしながら、「あれ、これどっかで聴いたぞ」みたいなメロディが。過去のメインテーマを踏襲したサントラが非常にいじらしいのだ。これはロッキーのサントラ聴き直して、もう一回見に行こうかとさえ考えたぐらい。
 まあ、サントラは聴いてもらえばいいだろう。
 で、ロッキーのミームと言えば何なのか。それは、勝ち負けじゃないということだ。だから僕はロッキーが好きなのだ。
 決して主人公が勝つとか、そういうご都合主義ではない。ボクシングは殺すか殺されるか、と劇中で繰り返されるが、まさにそれ。殺すか殺されるか、その戦いの中で立ち上がり、戦い続けることが出来るか。それが作品の根幹であるのだ。一人の男が立ち上がり、ボロボロになっても戦い続ける。それによって変わる何かがある。ロッキーの良さはまさしくそこにあるのだ。

 今回スタローンは、主人公ドニーのコーチ役となったロッキーを好演している。彼はもう老いぼれ、むろん戦うことなど出来なくなってしまった。その姿に思わず僕も悲しさを隠しきれなかった。遂には病魔に侵され、死を覚悟するロッキー。「もしかしてロッキー死ぬんじゃ……」という不安に、劇中何度も駆られた。本当に怖かった。だが、それでもロッキーは『立ち続ける』のである。
 『ロッキー』は、一人の男が愛する女の為に、息子の為に、立ち続ける話だった。だが、『クリード』はそれだけではない。チームであり、家族である仲間たちが、助け合い、そして戦い続ける。老い先短いロッキーの病魔との戦い、そして主人公ドニーの『クリード』という宿命との戦い。そして、シリーズ史上最高とも言えようボクシングシーンだ。ボロボロになりながらも、チャンピオンに果敢に挑むドニー。本当の試合を見ているような緊張感、そして興奮。
 ロッキー・ザ・ファイナルより九年、ロッキーのミームを受け継いだ作品は、単純な『続編』ではなく、新たな『伝説』となるだろう。

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